satochi side | |||
誰かが誰かを支えてる…そんな基盤設計 はじめてPowerPCを搭載したPowerBookは今までになく病弱でした |
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PowerPCを積んだPowerBookが欲しいという理由で、私はこのMacを手に入れました。それまでのPowerBook 520ではイラストレーターの8.0が動作せず、何かと不自由を感じることがあったからです。 Ethernetと通信用のPCカードを購入し、自身初めてのカラーのPowerBookという環境を堪能していました。動作は今までのPowerBookとは一線を画す、キビキビとしたものでした。 しかし悲劇は突然起こりました。いつものように文字を打とうとしてPowerBookを開いた瞬間に「パキッ」という甲高い音がしました。よく見ると液晶を支えるヒンジの部分が見事に壊れていました。仕方がなく分解してみたのですが、これがもう開けてみてびっくりです。樹脂パーツを多用した匡体は明らかに強度不足で、特にネジ止め部分はあちこちにヒビが入っていました。さらに基盤の横の強度を保つため、別の基盤を縦に配置する「誰かが誰かを支えてる」といったすごい状態でした。 そんな中で最もすごい部品が液晶のヒンジ部分です。稼動部分であるが故に当然ある程度の負荷がかかるところなのですが、金属パーツと樹脂パーツを組み合わせていて、明らかに樹脂パーツに力がかかり過ぎて割れるようにできていました。「この設計でOKを出した責任者出てこい!」と思う程劣悪な設計でした。 思えばこのPowerBookが発売された当時、Appleは経営状態が悪く、毎週のように買収の噂が立っていた頃なので、このようなAppleらしくない製品を世に出してしまったのかもしれません。 それでもPowerBook5300ユーザーは頑張って修理しながらこのマシンを使い続けた人が多かった様です。(まあ値段が値段ですから…) 中古ショップではPB5300の場合、状態の欄に「ネジ穴割れなし」などと明記されたり、ジャンクのハウジングのみでも結構な金額で販売されるなどちょっと特殊な匡体でした。秋葉原のショップでは独自にヒンジ部分の強化キットを販売しているところもありました。 稼動期間はあまり長くありませんでしたが、ロジックボードを交換したりハウジングを交換したりと結構な金額を注ぎ込んだPowerBookでした。 ジョブズが帰ってきてからはAppleらしい製品を続々と発表してくれますが、今後このMacのようなAppleらしくない製品が出ないようにと願っています。 |
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